平成29年度WAM助成事業

事業の概要

札幌市内にある地域サロン、カフェ(障がい団体、シニア団体、子育て団体などが運営する居場所)などを講座会場として、1ヶ所5人×6か所で計30人の受講修了を目標とする。また全ての講座終了後に仲間意識を高めるため、受講修了者が体験を発表する場を設け、事業終了後も受講者は適宜、居場所へ通うことができ、他の受講者と悩みを共有することができる。また、受講修了者30人の介護者ネットワークができれば、次年度以降は、サポートを行いながら、受講修了者が中心となって講座の企画運営にあたってもらいたい。

これを年度ごとに繰り返すことで、段階的なネットワークの拡大につながっていく。会場となる居場所も適宜、新しいところを選定すれば、居場所の利用者拡大にも貢献できる。さらに、家族で介護できない場合(外出等で家を留守にするとき、介護者が病気になったときなど)にネットワーク組織から「生活支援サービスチーム」(有料)を創り出すことも可能。1ヶ所5人という少人数での講座が密な連携を生み、気心の知れたどうしで助け合う関係に発展する可能性は大いに期待できる。

事業の背景と目的

厚生労働省は、住まいを中心に医療と介護、生活支援&介護予防が日常生活圏域に配置されている「地域包括ケアシステム」を将来像としてイメージしているが、すでに地域における介護(事業者)はその供給量を少しずつ減らしており、近い将来、介護(事業者)は身体的に日常生活が成り立たない重度者のためのものと限定せざるを得ない状況になるだろう。やがては子どもも含め、誰もが介護(家族やボランティア)の担い手となる時代がやってくる。

在宅介護は閉鎖的なイメージがあるため、介護する人がまず、現状を誰かに話せる環境づくりが大切である。家族介護者等の孤立を防ぎ、仲間が出来ることで、知識や技術だけでなく、心の拠り所を持ち、介護者の輪を広げることができる。

在宅で介護を行う人を対象に介護基礎知識や心構え、具体的な援助方法を学ぶ講座を開催し、介護を受ける方とその家族等が互いの負担軽減になれるよう、必要な支援を行う。

本事業は講座開催が主な内容であるが、その講座会場を地域の居場所で実施し、講座受講だけでなく受講者どうしや居場所運営者との交流も目的とする。

事業内容

  1. 事業内容検討委員会
    講座開催に係るカリキュラムの策定と運営について、内容を検討する委員会を設置し、4回開催します。(8月、9月、11月、12月)委員会は委員(専門職6人)と事務局2人で構成します。
  2. 在宅介護のための基礎講座
    全6ヶ所の会場(各地の居場所)に5人ずつ合計30名を対象として下記のカリキュラムで講座を開催。(7月~11月の5ヶ月間)
    受講料は無料(ただし、5回連続で受講できることを条件とします)

  3. 在宅介護基礎講座 報告会
    5回連続講座を修了した受講者各チームからひとりずつ6名が、受講の動機、受講の感想、今後の活動について報告します。

    • 開催予定日  2018年1月末ころ
    • 会   場  札幌市内公共施設 研修室
    • 参加対象者  一般(居場所運営者、受講者含む)50名程度
    • プログラム
      1. 本事業の概要報告
      2. 6ヶ所での講座報告
        居場所運営者から居場所のアピール後受講者チーム代表が発表
      3. 本事業の総括

    ※本事業による6ヶ所の居場所連携により、対象者を限定しない(高齢者・障害者・子ども等の区別をしない)運営方法を模索します。

  4. 報告書&ウエブサイト作成
    本事業の報告書を作成し、関係機関に配布します。

      1. 本事業の目的と概要
      2. 検討委員会の議題と議論の内容
      3. 基礎講座のプログラムと各講師テキスト
      4. 報告会の内容
      5. 参考資料(マスコミ等の記事、参照資料等)

    本事業の概要、報告書を当法人ホームページで公表します。

協力団体

※ 本事業はWAM(独立行政法人 福祉医療機構)助成(社会福祉振興助成事業)を受け実施する事業です。